子どもの興味や好奇心を尊重し、それを信じて応援する事が大切
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自分の親は愛情から私の人生にレールを敷き、そこから外れる事を許しませんでした。
努力はしたものの、残念ながら親の期待に応えられず挫折した私は、親に申し訳ないと言う罪悪感や、自分の能力が低かったと言う劣等感、さらに未だに本当にやりたい事が何かわからずじまいです。
そういう育てられ方で成功した方も多くいらっしゃると思いますが、私の場合はうまく行きませんでした。
そこで、我が子には同じ思いはさせたくないと、子どもの興味を持つ事は自由に何でもやらせました。
反対に、子どもが「止めたい」と言った時には、「3日坊主で良くないのではないか」と迷ったり、心の中で「ああ、用具に○○円かかったんだけどなあ」ともったいないと思ったりしながらも、無理強いはしませんでした。
我が子は小さい時から何かしらクリエイティブな事が好きでしたが、結局、そこへの興味は成長と共に強くなり、やがて専攻科目になり、幸運にも今はそれを職業にして、毎日を楽しく生きています。
世間の声や育児書を鵜呑みにしないことがポイント

子どもは育児書やマニュアル通りには成長しないけれど、確実に成長しているのでその成長その物を喜び、情報は参考程度に留めると、育児も楽しくできるのではないかと思います。
転勤族で周りに頼れる人もほとんどいず、初めての育児は手さぐりで不安でしたが、子どもの成長への喜びが勝り、実際には多少の心配だけで、苦しさはあまりありませんでした。
マニュアル本や育児書などもたくさん読んだのですが、うちの子どもはのんびりしているのか、変わっているのか、書かれている通りには成長しないのです。
始めは大丈夫かなと思いました。
例えば○ヶ月でハイハイを始めると書かれていても、我が子は一向に這いません。
歩き出したのも1歳半くらいでしたが、いきなりの歩行、危なげなく歩きました。
それに比べて発話はとても早く、その上何かしらの「枕詞」が付くのです。例えば猫を見て「あ、迷子の迷子の子猫ちゃんだ」と言う具合です。歌をよく歌ってきかせていたせいかもしれません。
情報に縛られ過ぎないという事を念頭に置けば、子育ても楽になると思います。
親の思いを押し付けないこと

NG事項の第一は、子どもを傷つけたり、危険にさらしたりする事で、これは常識としてどのママ、パパもわかっている事だと思います。
それ以外に私が自分の経験から言えることは、子どもを自分の思う通りに育てようと、子どもの人生にレールを敷くのはあまり良い結果を生まないのではないかと言う事です。
子どもへの愛情の大きさからつい大き過ぎる期待を抱き、良かれと思って先回りしてレールを敷きがちですが、大きな期待はやはりNGになると思います。
子どもは親のために生きるのではないですし、子どもには子どもの人生があるからです。
さらに、期待ではなく、大きな希望を持って子育てをし、その子、その子の成長を楽しみにできないと、マニュアル通りではないと焦り、他人の子どもと比べては一喜一憂する事になってしまいます。
ですから、子育てに「絶対的なもの」があると思うのはNG、マニュアルや育児書、ご近所のお子さんも平均的、統計的な情報を提供してくれるものくらいに考えた方が良いのではないかと思います。
絶対というものは存在しない

NGの項目でも書きましたが、子育てに絶対的なものはないと考えるとずいぶん楽になると思います。
又、親も間違いもするし、そそっかしい、忘れっぽい、だらしないなど「欠点のある人の子」なのだという事を早くから子供に見せてしまうと、ずいぶん楽になると思います。
「親として恥ずかしくないよう、しっかりしなくちゃだめだ、立派にこの子を育て、守るのは私たちなんだから」
と言う強い思いや決意はよくわかりますが、どこかに親も「にんげんだもの」と言う気持ちを持っていた方が、ストレスが少なく、楽しく子育てができるのではないかと思います。
子育ての経験を通して、親も子どもと共に色々成長していくものだと思います。
ですから、たとえ今日失敗したと思っても、その失敗から学んだ事で、今日より明日のママ、パパの方が確実により良いママ、パパだと考えるとストレスも少なくなると思います。
おわりに

子育ては長丁場のプロジェクトです。
ですからうまく行くか行かないかは、後になって見ないとわからないという事しか言えないと思います。
無責任の様に聞こえるかもしれませんが、その都度親ができる精一杯の事をするまでだと思います。
それにうまく行くの「うまく」とは誰が決めた、誰にとっての「うまく」なのでしょうか?
子どもは別人格の小さき人、別の人生を歩んでいく小さきバディ(友人)だと思います。
子どもが自分自身の選んだ道を一生懸命歩み、
「楽しく充実した人生をおくることができて幸せだ、生まれて来て良かった」
と思ってくれることを信じ、期待するのではなく、大きな希望を持って応援することが子育ての真髄と言えるではないかと思います。